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調毒師を捜せ (講談社文庫)
大沢 在昌
講談社
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憑神 (新潮文庫)
憑神 (新潮文庫)
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浅田 次郎
新潮社
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おすすめ度の平均: 4.0
4 義理と人情と楽観主義。。。
4 彦四郎の生き様
5 大衆小説の傑作
4 落語的にはじまり、後半シリアスな展開に
5 生きることは素晴らしい
 

時は幕末

彦四郎はまさに理不尽な不幸に悩まされていた。文武両道でマジメで周囲から慕われる彼には唯一欠点があった。それは次男に生まれたこと。次男であることから家督は継げず、婿として養子になるも子供が生まれた途端に離縁され、結局実家に戻ってきてしまっていた。

厄介者になっていまった彦四郎は蕎麦を食う金も母の駄賃で食べる程に惨めな物で、まさに“ついていない”の一言だった。

しかしある日、彼に転機が訪れる。

飲んで酔った夜の道。彼は小さな祠を見つける。

「三巡稲荷」

そこにはそう書かれていた。そば屋の親爺は言っていたのとは少し違うが構うまい。駄目もとで彦四郎は手を合わせた。


かくして、後日に彦四郎の前には確かに神が現れるのだが……。



面白かった・・。
久しぶりに余韻に浸れる作品にあった。

物語の舞台は今よりも昔。今だお家柄や身分を重要とする時代で、主人公の彦四郎はその時代の次男坊として生まれている。文武に秀いでた彦四郎が理不尽に悩む姿はまさにこの時代ならではの苦悩であり、面白かった。

前半は、まるで舞台で喜劇を見ている感覚で読むことができ、のめり込む。しかし後半で一気にシリアスに持って行っている。この作者は本当に凄い作家だと思う。

さてこの作品の見応えは、何と言っても彦四郎の生き方や考え方にあると思う。自分を陥れ、憎むべき相手にすら慈愛を見せる彦四郎の姿には誰もがやきもきしてしまうだろう。文武に秀でてるが、運が悪い。でも要領が良ければきっと彼は幸せに生きることは出来たのだろう。しかし、彼はそれを良しとせず、頑なに自分の生き様を大切にした。その姿は物悲しくもあるけど、羨ましくもある。

そんな彼にとって、憑神が付いたことは何をもたらしたのだろう?

私は憑神に出会わなかった彦四郎は、きっと生き甲斐を見つけることは出来ず、結局のところ不幸に終わったような気がします。憑神に出会ったからこそ苦悩の中で自分を見つめる時間が生まれ、そしてひとつの答えが
出せたのでしょう。


「戦は勝ち負けではない。勝ちっぷり、負けっぷりじゃ!」


武士の時代が終わることを認め、しかし武士道は失いたくなかった。その悩みが憑神との出会いよって解消されていく。最後まで誇りを捨てずに輝き続けた彦四郎の姿に、憑神とともに引き込まれることでしょう。



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電車男 (新潮文庫)
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中野 独人
新潮社
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おすすめ度の平均: 4.5
5 微笑ましく、羨ましい純愛物語
4 買いですが。
5 やらせ説が根強い本作ですけど
4 素直に読み進めることが出来るなら、、、
5 ”オリジナル”のパワーを感じました
 

 秋葉系非モテ男の恋愛ストーリー。彼は電車で、暴れる酔っ払いから勇気を振り絞って女性を救った。そして、その女性に恋をしてしまった。お礼を言われ、贈り物までもらった。このまま終わりにしたくない!彼はある掲示板に助けを求めた。その彼の助けになろうと集まり、知恵を絞る仲間達。いつしか彼は電車男と呼ばれ、そして伝説を作っていく。

短期間で50万部の売り上げ記録を作り、今だ人気は衰えを見せない作品。異例の4つの雑誌で同時に漫画の連載がスタートし、映画化され、ドラマ化もした。

確かに感動した!

これは読まないと損だろう。最初、エルメス(女性の仮の名前)に電話するのにもオドオドしていた電車男がラストには何て格好良い!って思うはずである。それに加え、周りの方々の助言の暖かさには涙させられる。ってゆーか、エルメスの発言の可愛さには正直惚れますって(笑)

かなりの傑作である。しかし、これはかの有名な某掲示板サイト『2ch』での出来事のせいか、偏見を持つ方も居る。実際私がこれを読んでると何人かは「2ちゃんねらーですか?」っとか言ってくる。どうもそういった人はよく分かっていない。『2ch=オタク』ってイメージを持っているんだな。しかもその基準がまた酷い偏見だったりする。以前日記に『_| ̄|○』このAAを使っただけで「2ちゃんねらー」て言われた事がある。

私は別に「2ch」を見はするが、書き込みはしない。それと、このサイトはそれ程ひどい場所ではない。きちんと本気で悩みを書き込めば、もの凄い量の励ましと情報をくれるのは確か。実際そういうの見たし。彼らの情報量や感性はある意味尊敬に値すると思うんですよ。

んで、それをふまえた上でこの本を是非読んでください。AA(アスキーアート)を交えた彼らの会話は読んでて本当に楽しいですし、共感出来る部分が沢山あるんです。気が付いたらきっと誰もが最後は「がんがれ!がんがれ!」って言ってます。本っと言うより掲示板を見てる感覚で、1日あれば読み終わるかもしれません。読み終えた後、あなたに清清しい暖かさをきっとくれるでしょう。




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上意討ち (新潮文庫)
上意討ち (新潮文庫)
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池波 正太郎
新潮社
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おすすめ度の平均: 5.0
5 短編集
 

著者: 池波 正太郎
初版: 1981年5月25日
種類: 人情劇
5段階評価: 3・・・ファンならの一冊



時代物である。

これだけで読む人を選ぶかもしれない。

私は時代物ってだけで読まず嫌いをしていたのだが、かなり読みやすく面白かった。
まあ三国志や新撰組を読むんだから大丈夫ではあったか……。

さて、まず題名の「上意討ち」だが、これは「上の命令で誰かを討つ」っと言う意味合いを示している。確かに、それをテーマにした話もあるが、これはこの本の全てではない。

この本は復讐、愛情、愛憎、様々な人情劇を書いた短編集なのだ。

実に11編もある文庫であり、読み応えは抜群。
そしてテンポが非常に良いので合間合間に読むのに非常に最適だったりする。

物語も素晴らしい。まさに昔の時代ならではの人情劇が心に響く。

現代だったら、もう職場で徒党組んで上司の悪口を言い合って不満をネットにぶちまけて、「ふひひwwサーセンww」となって、そんなの小説になったら別の意味で悲しくなる。

昔の日本だったから、人はここまで人を想い、人を狂わすのだろう。上をどこまでも信じ、また信じなくとも最後まで尽くす。そこから生まれる感情が実に丁寧に書かれており何とも悲しく、しかし惹かれてしまう。

ただ読み終わった後、なんだか“しこり”の様な物が残る作品もある。「え?これで終わり?」と驚くことでしょう。「疼痛二百両」なんてまさにそんな感じで、何とも続きが読みたくてモヤモヤしてしまった。巧妙に人間の心情を書いた「激情」も最初に登場する物語だけあって面白いのだが実に良いところで区切っている。まあ味と言えば言えるのかな?

総評としてはかなり面白かったです。でも物足りなさはあった。実はこの作品は池波正太郎さんがかなり若いときに書いた物も含まれるから納得である。初版が1981年で、作られたのが1950年だった作品もあったりするのだ。池波さんの脂がのるのは少し先なのである。

また、やっぱりどうしても時代物は合わない人は居ると思う。
なので私的には楽しく読めたが、万人向けではないのかもしれない。

最後に、この短編の中には新撰組の物語が3つ程書かれている。
これもまた面白いので新撰組が好きな人は読んで損はないと思う。



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三国志 きらめく群像 (ちくま文庫)
高島 俊男
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5 【現状】最も深い「三国志」関連本!
5 親切で、面白くて
5 三国志のおもしろさが倍増!大笑い!
5 楽しい三国志人物伝
4 読むのが楽しい本
 
 三国志の四大スター(曹操、孫権、劉備、諸葛亮)を始めとして彼らをめぐる勇士傑物、女性たちなど正史「三国志」の主要な登場人物を縦横に語り尽くす。「本読みの達人」による最良の「三国志」案内。
え~、よく出来てます。

さすがと言うか、よく調べてるな~って感じです。三国志好きでなければここまで語れないでしょう。三国が出来るちょっと前の『混沌としていた状況』や重要な人物を見事にピックアップされてます。三国志ファンなら絶対読むべき一品でしょう。

ここまでくると是非、もう一冊出してもらいたい所ですね。まだまだ紹介して欲しい人物は山ほどいます。蜀では五虎将軍全員を紹介してもらいたいし、魏では夏候惇以外の四天王を紹介してもらいたいし、呉は文官以外の人物を是非!!

さて、褒めてばかりはなんなんで欠点を・・・。

自分が大好きな夏候惇が高く評価されてない!!(私事)

いや、好きなんですね、夏候惇将軍が。この人は凄いんです。曹操が旗揚げの頃から付き従い大将軍まで上り詰めた人なのに、土木工事や治水作業を民と共に行い、いらない私財は民に分け与え、いつも師をとって勉学に励んでいたそうです。

それなのにこの本ときたら!

「戦は下手だった」

「後ろに座っているだけで何もしなかったのだろう」

ひどい!大好きな元嬢さんが~。





事実だけどね。





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探偵ガリレオ (文春文庫)
東野 圭吾
文藝春秋
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おすすめ度の平均: 3.5
2 東野圭吾の趣味に走った作品
5 物理学者が事件を解決する犯罪小説を「実験」したような印象です
3 これも仮説の検定なのか
2 科学小説?
4 いつもの東野作品とは少し趣が違うけど…。
 



刑事・草薙俊平は頭を抱えていた。

最近の犯罪トリックの難解さにだ。

時代は進み、文明も発達してきたのだ。普通の一般市民が、昔では考えられなかった物を所有している。そしてそれを駆使して犯罪を起こしている。

そして今もそうだ。これは何を使っているだ?どうすればこうなるのだ?動機があっても証拠が無い。とにかく頭が痛かった…。

そんな時、草薙はある大学の研究室を訪れている。こんなことは彼に聞くのが一番だ。若くして物理学者として助教授をしている彼に。

彼の名前は湯川学と言う。彼は実に偏屈な性格をしているが、どこか馬が合う。

今回も薄汚れたカップでインスタントコーヒーを出し、自分には理解できない用語を駆使して説明するに違いない。しかし、そんな少しの苦痛はあるが、彼の洞察力は確かな物だった。今回はどんな解明を見せてくれるのだろうか。

まずは湯川の興味を引き出さなければならない。

草薙は言葉を選び考えなが
ら研究室の扉を開けた。

-----------------------------------------------------------------------------

ドラマにもなった有名な作品です。私はドラマから入ったんで、その視点で
の感想になります。

さて、まずドラマでは湯川が全面に出てきて、まるで主人公の様になってますが原作では違います。主人公はあくまで草薙刑事、そして被害者と加害者であり、湯川はアドバイザーとして登場しています。さらに湯川の「実に面白い」などの決め台詞は原作にはありません。そもそも相方となる草薙はドラマだと女性ですが、原作は同年代の男性です。

読んでみて、つくづく大衆受けに変えられた作品だったんだなぁっと思いました。原作の人気は確かにありました。その原作が好きだった人にとって、色物に変えられた作品ってどうなんだろ?でも、きちんとした俳優さん達だったし悪くはなかったと思う。

過去に私の好きな作品がドラマ化した時は、お笑い芸人やら女性タレントやらジャニーズアイドルやらで、めちゃくちゃになってて悲しかった記憶があるが、これは原作ファンでも許せると思う。多分。

内容は濃密にして
テンポ良く進みます。

作者である東野圭吾が理系出身であり、「自分が好きなようにマニアックな作品を書いた」と語っているように、実に複雑であり理解できれば単純なトリックが満載で面白いです。

短編で5つの物語が収録されてて、時間が空いたときに軽く読むのに最適です。今回は加害者に同情の余地がない物語が多いけど、その内、被害者を許せなくなる事件が起こったりするのだろうか。そんな時、湯川がどんな動きを見せるのか。そんな想像すら楽しみになる作品。

久しぶりに推理小説を楽しく読むことでき、満足しました。

お勧めです




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