忍者ブログ
11/9  web拍手の返信を頑張ってます…更新はしてるよ?(震え声)
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

上意討ち (新潮文庫)
上意討ち (新潮文庫)
posted with amazlet at 10.08.23
池波 正太郎
新潮社
売り上げランキング: 109130
 
おすすめ度の平均: 5.0
5 短編集
 

著者: 池波 正太郎
初版: 1981年5月25日
種類: 人情劇
5段階評価: 3・・・ファンならの一冊



時代物である。

これだけで読む人を選ぶかもしれない。

私は時代物ってだけで読まず嫌いをしていたのだが、かなり読みやすく面白かった。
まあ三国志や新撰組を読むんだから大丈夫ではあったか……。

さて、まず題名の「上意討ち」だが、これは「上の命令で誰かを討つ」っと言う意味合いを示している。確かに、それをテーマにした話もあるが、これはこの本の全てではない。

この本は復讐、愛情、愛憎、様々な人情劇を書いた短編集なのだ。

実に11編もある文庫であり、読み応えは抜群。
そしてテンポが非常に良いので合間合間に読むのに非常に最適だったりする。

物語も素晴らしい。まさに昔の時代ならではの人情劇が心に響く。

現代だったら、もう職場で徒党組んで上司の悪口を言い合って不満をネットにぶちまけて、「ふひひwwサーセンww」となって、そんなの小説になったら別の意味で悲しくなる。

昔の日本だったから、人はここまで人を想い、人を狂わすのだろう。上をどこまでも信じ、また信じなくとも最後まで尽くす。そこから生まれる感情が実に丁寧に書かれており何とも悲しく、しかし惹かれてしまう。

ただ読み終わった後、なんだか“しこり”の様な物が残る作品もある。「え?これで終わり?」と驚くことでしょう。「疼痛二百両」なんてまさにそんな感じで、何とも続きが読みたくてモヤモヤしてしまった。巧妙に人間の心情を書いた「激情」も最初に登場する物語だけあって面白いのだが実に良いところで区切っている。まあ味と言えば言えるのかな?

総評としてはかなり面白かったです。でも物足りなさはあった。実はこの作品は池波正太郎さんがかなり若いときに書いた物も含まれるから納得である。初版が1981年で、作られたのが1950年だった作品もあったりするのだ。池波さんの脂がのるのは少し先なのである。

また、やっぱりどうしても時代物は合わない人は居ると思う。
なので私的には楽しく読めたが、万人向けではないのかもしれない。

最後に、この短編の中には新撰組の物語が3つ程書かれている。
これもまた面白いので新撰組が好きな人は読んで損はないと思う。



<<関連記事>>

・ 評論(書籍) 武士(おとこ)の紋章

・ 評論(書籍) 剣客商売―剣客商売一
・ 評論(書籍) 辻斬り    ―剣客商売二
・ 評論(書籍) 陽炎の男―剣客商売三
・ 評論(書籍) 天魔―剣客商売四
・ 評論(書籍) 白い鬼―剣客商売五

・ 評論(書籍) 新妻―剣客商売六
・ 評論(書籍) 隠れ簑―剣客商売七
・ 評論(書籍) 狂乱―剣客商売八
・ 評論(書籍) 待ち伏せ―剣客商売九
・ 評論(書籍) 春の嵐―剣客商売十

・ 評論(書籍) 勝負―剣客商売十一
・ 評論(書籍) 十番斬り―剣客商売十二

拍手[0回]

PR
この記事にコメントする
Name
Title
Color
E-Mail
URL
Comment
Password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール
HN:
試作型 惇兄
性別:
男性
自己紹介:
文書を書くことが好きな暇人。旅をこよなく愛する放浪者。たまに音楽が作りたくなり挫折している自称芸術家。
巡回サイト様
リンク・トラックバックはフリーです。
貼ると、何時の間にかこっちも貼りますので御了承ください
最新コメント
[11/13 Brandonson]
[08/14 nxqkrxgoto]
[07/13 管理人@惇兄]
[07/10 NONAME]
[04/04 管理人@惇兄]
[03/30 NONAME]
最新トラックバック
ブログ内検索
カウンター
気になるアイテム
アクセス解析
忍者ブログ [PR]