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武士(おとこ)の紋章 (新潮文庫)
池波 正太郎
新潮社
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おすすめ度の平均: 4.5
5 滝川三九郎
3 やっぱり黒田如水がいちばん
5 苦しいときこそ
5 男の生き様
 
 
著者: 池波正太郎
初版: 1994年 10月1日 
種類: 人情劇/解説本?
5段階評価: 2・・・池波さんの趣味満載な一冊かな?



池波正太郎さんの短編集です。

んー、厳しいかな?今回は、この前紹介した『上意討ち』に対し、一般受けしそうな人物はやや少なめ。新撰組の永倉新八や真田一族をピックアップしている話は面白いのだが、昭和初期の力士である島一や植物学者の牧野富太郎などが結構長めに紹介してるので、賛否は分かれる一冊ではある。

また、この本では物語じゃない話も数話ある。池波さん自身の語りによる人物の紹介だけの話がある。これも読む人を選ぶと思う。

さて、私はこの一冊では牧野富太郎について言及してみたいと思う。

彼は植物学者である。貧困の中、苦労を重ねて植物に全てを捧げた人間であり、素晴らしい功績を残した人物で、池波正太郎さんのお気に入りの方である。文中でしきりに褒めちぎっているので、それはとても分かりやすいと思う。

しかし、私はこの本を読んで牧野富太郎が大嫌いになってしまった。

彼の自分勝手な行動もそうだし、協調性の無さから生まれた自業自得を池波正太郎氏がいかにも悲劇として書いてる描写が嫌になってしまった。

彼がもう少し他人を労る気持ちを持っていたら、
母親や妻はこんな苦労をしなかっただろうに・・・。

特に奥さんの苦労は読んでいて痛々しかった。沢山の本を置くための家を借りるために30円。でも給料は25円。毎月借金をしてしまう妻の気持ちは辛かったに決まってる。

しかも金が無いのに学生にバーベキューを振る舞ってしまう程、浪費癖は酷かったという。

彼は悩む妻に「すまんねェ、苦労をかけて」と言うも直ぐに「どうにかなるろ」と切り替えてしまう様子はどうなんだろう?著者は美徳としてるが私には怒りが芽生えた。あなたは切り替えられるが、やりくりしてるのは奥さんなんだよ!!

池波正太郎さんは、奥さんである寿衛子さんは幸せだったと書いている。

植物の話をする時の少年の様な目をする富太郎が可愛くて仕方なかったと。
毎日、情熱的な愛情を注がれて幸せだったと。

だけど、私は思う。

寿衛子さんは、単にまだ自分の周りの世界を知らなかっただけだったんじゃないか?

旅行ひとつも行かせてもらえず、帯ひとつ買って貰えない妻が本当に幸せだったんだろうか?

牧野富太郎が池波正太郎さんの言うほどの愛情を奥さんに持っていたのなら、もっと大切に奥さんの事を考えて行動できたはずだ。この本を読んでいる限り、明らかに頭の中の9割は植物だった牧野富太郎。

私は絶賛出来なかった。




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