評論（書籍） アルバイト探偵（アイ）

アルバイト探偵 (講談社文庫)

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大沢 在昌
講談社
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おすすめ度の平均:

父と子の友情？
個性的な作品です
男なら一読すべし。
キャラ立っています
軽く、軽く
 

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著者:　大沢在昌
初版:　1995年7月15日
種類： サスペンス
5段階評価:　3・・・テンポの良さは好感触

 

冴木隆はいたって普通の高校生である。

なのに父親が普通じゃない変わり者。なんせ探偵をやっているも不真面目で、まともに仕事をしている姿を見たことがない。前職を聞いてもうさんくさいことこの上ない。要は『社会不適合者』ってわけ。
 

しかし、見た目が良いものだから周りからの助成が随分なものである。まったく世の中は不条理な物だよ。そんな姿を間近で見ていて、よく非行に走らないものと我ながら感心をしている毎日である。

さて、こんな探偵事務所だが時には大きな仕事がやってくる。警察では動かせない事件が主である。他にも依頼したけど駄目だった、もしくは何か訳ありの事件だろう。そうじゃなきゃ、こんな父親の所に来るはずはない。

そして、こんな探偵事務所なわけで…助手はいるはずもない。

仕方がない、今回も手伝うとしますかね。

大沢在昌が送るサスペンスドラマシリーズ、第一弾！開幕！

短編集でした。

そして

タイトルを見たとき

アイと言う少女が華麗に事件を解決する

そんなキャッキャウフフを想像してました（あるあ…ねーよ）
 

舞台は1990年代前半らしく、ディスコなど懐かしい単語が満載。うーん、昔はこんなんだったんだね。そして、規制がまだ緩い時代だったのか、主人公の高校生が喫煙、飲酒、無免許運転など何でもござれ。性にたいしても緩い緩い。散歩気分でナンパしてホテルイン。今だったら厳しいでしょうね。
 

っというか、上記のような主人公の性格。これが読んでて合うかどうかが実に読む人を選ぶと思う。
 

まず、台詞が臭い！痒い！
 

大人ぶった生意気な少年が全面に出ていて、それが作中では格好良い人間として映っているのが違和感を感じてしまった。恋人を「ステディ」と言ったり、「利害が一致しているわけね」などとにかく口調が軽いのだ。
 

これを爽快と受け取れるか、ウザイと感じるか、このシリーズを読むに当たって重要だと思う。
 

ひとつ、この作品の文章の一部を載せます。
ヒロインと主人公・隆の会話です。

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「ここでどうやって訊きこめっていうの？」
 

「心配しなくても、すぐに誰かが声かけてくれる、踊らないかって。そうしたら写真をみせて、この男の正体を教えてくれなきゃ嫌だっていうんだ」
 

「本気！？」
 

「大丈夫。でも本当に踊ったらヤキモチ焼いちゃうからね。」
 

「馬鹿っ」

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お前らだ！馬鹿は！！
 

私は身もだえてしまった（汗）
 

他にも
 

『そんな環境に育った冴木隆クンが、どうして非行の道に走らないのか。これは不思議なことだよ』
 

っと自分で言っちゃったり。お前は十分に不良だろ！の突っ込みの嵐である。
 

また、題名に“探偵”とあるが、推理物ではありません。あくまで主人公が行動しまくってボケやって父親が助けるのがパターンのサスペンスであることに注意すること。
 

しかも悪口を言いまくる父親に結局は助けられてるのも歯切れが悪い。私的には主人公は格好良くないんだけどな…。バブル期ではこんなんが流行ってたのかなぁー。
 

まあ分かりやすいし読みやすいので軽く何かを読むのには最適ではあります。クセのある主人公も2話辺りで慣れました。それさえ乗り切ればこの作品は楽しく読めるんじゃないでしょう（多分）

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