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講談社
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習作だけにかなり無理やりではあります。
家族に対する想いがきちんと伝わってきたのがよかった
少年の譲れない物
初期東野作品の傑作
著者: 東野圭吾
初版: 1991年6月15日
種類: 推理
5段階評価: 3・・・うーん、全体的にぬるい
舞台は春の甲子園。
9回裏で2アウトだがエラーにより満塁のピンチ。
まさに勝負が決まる瞬間だった。天才と呼ばれるピッチャー須田を誰もが見守る中、彼は突如暴投をしてしまう。試合が決まる瞬間だった。しかし、キャッチャー北村は見ることになる。暴投と世間では呼ばれた「魔球」を…。
一方、地元の東西電気では別の事件が発生する。会社に時限爆弾が設置されていたのだった。だが、大騒ぎとなったにも関わらず、爆弾自体には爆発する危険はない物だった。安心したのもつかの間、今度は社長が連れさらわれてしまう…。
なかなか面白かったですが、良くも悪くも普通ですね。
刑事達に個性が全くなかったし、お手本の様な推理小説でした。
欠点は登場人物の多さだと思います。話全体の流れから、別に名前を出す必要のない人物まできっちりと出すから、覚えようと読んでると少しウンザリする。
ちなみに約50Pで名前が出ている人物がどの程度登場するか以下に列挙してみる。
須田武志・・・天才と呼ばれる投手
北村 ・・・須田の球を受けれる捕手
臼井一郎・・・東西電機資材部課長
上田 ・・・東西事件担当の刑事
篠田 ・・・上田の後輩
桑名 ・・・上田達の班長
天野 ・・・情報を提供した交番勤務の警察官
須田勇樹・・・須田武志の弟
近藤 ・・・勇樹のクラスメイト。噂好き
オンセン ・・・勇樹のクラスメイト
笹井 ・・・勇樹のクラスメイト
佐野 ・・・教師。歴史担当
森川 ・・・教師。野球部顧問
高間 ・・・開陽高校事件担当の刑事
小野 ・・・高間の後輩
本橋 ・・・二人の上司。学者風。
ほんの50Pでこんなに名前が出るのである。しかもこれから野球部員などまだまだ登場人物は増える。読んでる身としては「事件と関係があるかも」っと思い覚えるのだが、全然事件とは関係ないことがほとんど。
こいつ別に名前出さなくてよくね?っと思う人物の多いこと…つまり、少し無駄が多い気がする。
まあ、この本は東野圭吾さんが賞をとって有名になる前の作品なのだから仕方ないかな?
まだまだ脂がのる前の作品っと言うことだ。
事件解決も納得いかない部分が多いのも、それなら納得。
例えば「魔球」のダイイングメッセージだが、残した意味は無いときたもんだ。残した本人が「どうしてあんなことを考えたのかな」と理由が理解出来ないときたもんだ。うん、読んでいて凄くもやもやした。
さて、この題名の「魔球」ですが、この小説でこれほど重要な単語はない。
単純に変化球を示してはいるのですが、須田の人生を大きく狂わせてしまった。そして、それは周囲にも影響を加えていく、悲劇を生んだ。そんな意味でも魔球なのだろう。
また、読んだ人が須田武志に対してどう思うか?これは結構重要である。悲劇のヒーローと受け取れるなら良いが、私には変人にしか受け取れなかった。約束を守れなかっただけで・・・ねえ?
最後に、どうして須田武志は名門高校に行かなかった(行けなかった?)のだろう。金銭問題もあろうが、彼くらい有名で天才で中学からスカウトが注目するくらいなら何とでもなったと思うのだがね。
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