評論（書籍） 君が僕を<3> -こんなもの誰が買うの？-

君が僕を 3 (ガガガ文庫)

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中里 十
小学館
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著者:　中里十、　イラスト： 山田あこ
初版:　2010年3月23日
種類:  学園物
5段階評価:　3・・・読む人を選ぶ。惜しい！


私は「恵まれさん」である絵藤真名の執事である。
執事であり、恋人だ。

押しかけ大学生れのあと結婚した変わり者の父を持ち、
そして父は義母と私を残して沖縄へ移住してしまった。

春休みを利用してれのあが私を沖縄に誘い、
真名の執事である私は真名を誘い、
私達は今、沖縄にいる。

沢山のことを真名と過ごし、
沢山のことを真名と共感する。

真名のために、執事として私はもっと役に立ちたかった。

「無理しないで」

また、『無理しないで』。
今度はそんなに無理しているつもりはないのに。


物語が進んだような、進んでいないような
日常系ラノベ第3巻です。

相変わらず本の厚さが薄いのね…。
次巻で完結らしいのだが、4巻まとめて一冊に出来るレベルだった。
内容が起伏のある作品じゃないんだし、全2巻位がベストなんじゃなかろうか。

さて内容の感想だが、今回は淳子の葛藤と成長である。
今まで執事として明確な行動をしなかった淳子だが、ここにきて真名のために積極的に動き出す。
もちろん失敗もあるのだが、それは淳子を成長させて真名との距離を縮める結果となる。

縁(ゆかり)と違い力のない淳子が精いっぱい真名のために行動しようと姿は胸キュン物だし、真名の対応が今までと違うのも微笑ましい。私の琴線にようやく触れてくれましたな(何様？)。父親の芸術に対する感性が垣間見れたのも大きな進展でもある。

ただ、3巻目にしては展開は酷く遅いけどね！
それに煮え切らない作品である。

“これから”をテーマにしてるのに随所に“終わり”を感じさてたり、
百合かと思えば未来の淳子は普通の主婦だし。

問題のひとつである家庭のごたごたも、
未来では順風である描写もある。

何か「問題」→すぐに「結果」を交互に見せられてる気分だ。
起伏が無い欠点が、この作品を実に惜しいものにしている。

今巻のラストでようやく何かが動き始めたけど、どうなることやら。
あっさりながれてエンドにならないことを祈ります。


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