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製作: 2006年度作品/アメリカ映画
ジャンル: 戦争ヒューマンドラマ
5段階評価: 5・・・重い、しかし心に響く
1944年6月。第2次世界大戦は佳境となっていた。アメリカは大日本帝国との戦闘を終結させるべく、日本本土空襲の為の理想的な中間基地として硫黄島の攻略を急いでいた。だが、戦争は硫黄島にだけではない。そして戦争にはお金がかかる。
そんな折、硫黄島から一枚の写真が届いた。
彼らの様はまさに英雄・・・政府は、彼らを利用することを決断する。
兄弟作品の「硫黄島からの手紙」を併せて見るのもいいが、これはこれで別の作品である。「硫黄島からの手紙」が戦時中の辛さを語るのなら、こっちは戦後の悲しさだろう。
星条旗を立てたメンバーが間違えて報道されてしまった。生き残った3人は必死になってそれを訂正しようとする。しかし、政府やメディアにとってそれは実に軽い話なのだ。それが特に衝撃的である。当時のアメリカに必要な英雄像は、お金を集めるのに利用できるかどうかだけ・・。そして戦後の彼らへのあまりに冷徹な対応がとても痛いのだ。
また、人種差別に対しても描かれているのにも注目したい。3人の英雄のひとりであるアレンはインディアンであるのだが、英雄である彼に対して民衆が非常に冷たいのだ。戦後、突如として英雄にされてしまい、それでも差別を受ける。正義感が強いため仲間意識も強い彼の葛藤が最初から最後まで丁寧に描かれている。他の2人も、戦時中の声に怯える表情など実にリアルで、思わず自分も物語の1人になってる様な感覚で「はっ!」っとさせられるのだ。
戦闘シーンも迫力がある。「硫黄島からの手紙」よりも緊迫感があります。戦艦がずらっと並ぶ様などは本当に圧巻である。ちなみにDVDの特典映像では本当の硫黄島の戦いが収録されている。それを見ると本当に忠実に再現されてるのが分かるので見る価値ありです。
欠点は、やっぱり戦争映画なのか終始映像が暗いため人物の把握が難しいこと。特に私は外人の見分けが出来ないタチなので、後半になってやっと理解出来た程である。でも、まあ、それ位かな?
勝っても負けても、残るのは“痛み”だけ。それを実に表現しています。私個人的には「硫黄島からの手紙」よりも心に響きました。
<<関連記事>>
・ 評論(映画) 硫黄島からの手紙
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文書を書くことが好きな暇人。旅をこよなく愛する放浪者。たまに音楽が作りたくなり挫折している自称芸術家。
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