プチパルレビュー・ワールドエンド評論（書籍）ﾗﾉﾍﾞ　ｱ・ｶ

プチパルレビュー・ワールドエンド

11/9 　web拍手の返信を頑張ってます…更新はしてるよ？(震え声)

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2025.02.02 Sun 06:56 | | Posted by

評論（書籍）　一生ひとりで遊んでろ！―魔術士オーフェン無謀編 7

一生ひとりで遊んでろ!―魔術士オーフェン・無謀編〈7〉 (富士見ファンタジア文庫)

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秋田禎信
富士見書房
売り上げランキング: 347706

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著者:　秋田禎信、　イラスト：草河遊也
初版:　1999年1月25日
種類: ファンタジー
5段階評価:　4・・・勢いが過ぎた感があるけど大好きです

そういえば記事にはしていないけど英会話は勉強し続けている管理人です。
だけどね、さっぱり上達しないんで記事にしにくいんですよね。

本当に困った。
まあ仕事から帰ってくるのが22時や23時で、勉強がなかなか出来ない。
頑張って勉強しても捗らないんです、疲れて。

でもね、最近ある傾向に気付いたんですよ。

I'm really stupid and terrible
(私はとても馬鹿！酷い！)

I'm broke
(金欠です)

こんなネガティブな言葉はスラスラ頭に入ります。
つまり自分が本当に表現したい言葉は覚えるんです。
自分が本当に知りたい言葉は覚えるんです。

そう、例えばだ！
男性諸君は誰だって知りたい“性”をテーマにした言葉をメインで教えたら、
きっと英語ももっとスムーズに覚えられるはずなんです！

まずは“性”から知りましょう！
そして“性”の言葉を知りましょう！

そう、これぞまさに淫文化コミュニケーション！

……ええ、満足ですとも。

さて、行数稼げましたんで以下感想です！

『一生ひとりで遊んでろ！』
「忘れていた…き、今日が期限か……」

「どうしたの？」

震える膝を手で抑え、うめく。
彼らの前に現れた“生物”…それは…

「元締めだ」

オーフェンが呟く先では、
どうみても未知の生命体が壁を走りながら魔術を避けていた。

凄く笑った作品ですけど、
作者的にはネタがなくて勢いで書いたとか。すげー。

さて、考えて見ればオーフェンってどうやって金貸しになるべく資金を得ていたのか。
その謎(？)が今回判明する。っと言ってもさして興味も無かったわけで…まあむしろ元締めとの掛け合いを楽しむ作品ですな。

それにしても元締め強い、そして変態。
新シリーズではこのトトカンタが舞台となり“トトカンタ攻防戦”として歴史に残す戦争を起こすのだが、
絶対負けることは無いんじゃないのかね。

つーか今回のオーフェンを見て少し幻滅したのは確か。甲斐性無いのは知ってるけどさ、
コギーのご飯を殴ってまで得ようとする姿にはげんなりである。

『口先だけは立派だな！(前後)』
「わたしの青春を、わたしの人生を受け止めて欲しいんです」

突然、幸薄そうな少女に路地裏に連れて来られたオーフェン。
こちらをじっと見つめたまま動こうとしない少女に、
オーフェンは怪訝な視線を投げかけた。

「……何か用？」

と、唐突に彼女が声をあげる。

「はうっ……」
「へ？」

オーフェンは自分でも分かる間抜けな声を上げた。

「苦しい…持病のしゃくが…」
「はあ」
「さすってください」
「やだ。なんか危ないし」

………

「これなんてどうでしょう？……お花」
「いや、んな手品見せられても…」
「わたし、ジニーっていいます」
「いや、さらに名乗られても…」

どうして、この街の住人にはまともな奴がいないのか。

「どうやら、わたしの過去を話さなければならない時が来たようですね…」

そして、どうして何時もキースが絡んでいるのか。
オーフェンは考えることすら諦め始めていた。

舞台がテーマ(?)な話しです。
作者同様に私も舞台やミュージカルは好きです。なんて言うか、現実逃避には素晴らしいと思うのですよ。ディズニーランドもそうですけど、社会人になるとね…本当にこういった現実を忘れさせてくれる何かが琴線をえぐるんですよ…。

まあ当物語では舞台とはかけ離れたテンションで突き進むわけです。
キースの一日の行動ってのがよく分からないけど意外とキースって舞台に向いてるのかもしれんね。後、ジニーも向いてると思う。役者ってのは自分に酔ってるナルシスト人間に向いてるのである。

しかしマンネリし始めているトトカンタ住民との掛け合いも、
キース一人で面白い物に変わるのは何とも不思議。

おそらく“何でもあり”なキャラクターだからこそなんでしょうが、
キースの様な奴はその短編集作品も重宝しそうですね。

まあこの作品でしか見たことないキャラクターでもありますが。

『そんなに俺が憎いのか？』
キースが持ち出した魔法陣。
その影響で突如として宿を追い出されたオーフェン。

「これは…精霊魔術の契約書じゃねか！」

キース曰くマジクから譲り受けたそうだが、
何故マジクがこんな魔術道具を持っていたのか。

オーフェンは、ただ宿に戻って寝直したい一心だった…。

精霊魔術、マジクのご学友、色々本編では活用される重要単語である。
当初の無謀編と違って最近は関連性を持たせる趣向にあるみたいだ。

精霊魔術、契約をしたことは絶対に守るけど、絶対に守る故に扱いづらい。
本編では最重要なアイテムも短編になるとコメディになるから不思議。

オーフェンは宿にとって害なす存在だったんだね。
まあ当たり前か。

でもモグリとは言え、ここまで金に執着を見せるほど落ちぶれるってのは
意外にも違和感があることなんだなーって今さら感じます。

『開き直ってどーすんだ！』
少女は宿の厨房から、その光景を眺めていた。

「ああ…どういうことですの……」

その風景とは、オーフェンがコギーとキースに魔術を放つ、
いつものメンバーの、いつもの光景である。

「みんな、あんなに楽しそうに……」
「巻き込まれずに、幸運だと思いますけど」

はらはらと涙を流すのは厨房のウェイトレス姿のボニー。
半眼で呟くのは金髪の少年、この宿の主人の息子でマジクである。

彼女がマジクを巻き込んで企みを実行するのは、その数日後の昼過ぎである。

私は大好き！ファンからはいまいち！
そんなボニー回です。

あとがきで作者も適当に書いているとおり、
私も感想に困ります(おぃ)

作中では決して不遇では無いんですけどね、
トトカンタの住人を含め他に濃い人物は沢山いるし扱いづらいんでしょうね。
異常に登場する回が少ないです。

オーフェンももっと気軽に接することが出来れば、こんなに良い娘さんはいないと思うのですよ。献身的だし可愛いし、こんなに恋に盲目に慣れる女性って居ないと思う。ただ作品的に考えると、この程度アブノーマルなヒロインは結構居るのも事実なんだよねぇ。

新シリーズは読んでないんですけど彼女は登場してくれるんでしょうか。

『天魔の魔女と鋼の後継ー望郷編』
アテレンス・フィンラディ。
そして、マーサ・フィンラディ。

並べられた墓標を見下ろしてキリランシェロは黙していた。

鋼の後継（サクセサー・オブ・レザー・エッジ）
そう呼ばれる少年はアザリーと共に故郷に来ていた。

両親が事故で亡くなったおり孤児院で一緒になったアザリー。
彼女は今では大切な姉のひとりとなった。

アザリー。
天魔の魔女。

災いそのものの名で呼ばれる彼女は、
ようやくにして安定期を迎えた大陸に、
時代がもたらした破壊者なのかもしれない。

いわく－

プレ編です。
まさに番外編的な物語で笑いは一切ありません。

好きですよ。完全にシリアスな話しも。
何故キリランシェロが鋼の後継と呼ばれているかの由縁も分かったりします。
本編を読んでると感慨深い物がありますね。

また、アザリーがどういった感情で弟を見つめていたかも垣間見れます。
思うに、この頃からアザリーは自分の将来を見つめていたと思います

弟の役目すらも示唆していた。
それは喜びと悲しみの不可思議な感情として物語で表現されてます。

今まで違って賛否はあるかもしれませんが、
本編の意味を深く知るために是非一読していただきたいです。

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2012.12.16 Sun 21:03 | 評論（書籍）ﾗﾉﾍﾞ　ｱ・ｶ | Posted by 試作型惇兄 | Comment(0)

評論（書籍）　評論（書籍）　あきれてものも言えねえぜ！―魔術士オーフェン無謀編 5

あきれてものも言えねえぜ!―魔術士オーフェン・無謀編〈5〉 (富士見ファンタジア文庫)

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秋田禎信
富士見書房
売り上げランキング: 479410

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著者:　秋田禎信、　イラスト：草河遊也
初版:　1998年1月25日
種類: ファンタジー
5段階評価:　4・・・キースの出番の少なさは弱くなるなぁ

オーフェンのドタバタ日常を描いた第5弾！
いつもよりもパンチが弱いのはキースや地人、ボニーなどの出番が少ないからか？

ただ、それはそれで“日常の笑い”は感じられる。
キースは面白いけど何でもありで現実味が無いのが諸刃だからね。

んでは、各話の感想をば。

『俺に構わず死んでくれ(前後編)』
「悪魔じゃ……悪魔が復活するのじゃ…」

突然、オーフェンとコギーの前に現れた老婆。
彼女は悪魔の復活と世界の危機を二人に知らせる。

「悪魔の王子…まさか…ヒュキオエラ王子か？」

最初こそ信じえなかったオーフェンだが、その真実に驚愕した。
っというか目の前に本人が現れたのだ。

その姿は誰がどうみても……木人そのものであった…。

短編集になって始めての前後編です。
作者はふたつにわける必要は無かったって言ってますが、なかなかどうして濃厚でしたよ。

「存在の引き算」

単純ながら面白い。
これって結構使われる設定だと思いますけど、
この作者にかかれば美味しく料理されるわけだ。

王子だ魔王だ、ファンタジー好きには堪らない言葉の連発で、さらに言葉遊びも健在ですし、そら前後編にわけるしかないって感じです。行数稼ぎで長くしてる部分はどこにも見られませんでした。

意外だったのはコギーが「王子」って単語に拘りを見せたところ。
いや、彼女ってそういうのに疎い雰囲気だったんで「王子様像」に激しく反応するのは違和感を感じてしまった。こういうのはクリーオウとかボギーの役目なんだろうけどね。

『お前のツラは見たくねぇ』
何時ものごとくコギーの手伝いをさせられることになったオーフェン。
しかし、今回のそれは何時もと違うようだ。

捜査協力でもなく逮捕の助力でもない。
渡された紙には、ひとつの店を示すのみ。

「不気味堂」

まあ嫌な予感しかしないのは、いつものことなのだが…。

会話の駆け引きが絶好調。
基本的に地人って好きじゃないんですけど、
オーフェンが活き活きするんでやっぱり登場は有りがたい(苦笑)

不気味堂については突っ込みどころ満載だったけど、
とりあえずコギーを若い女性として認識しないのに驚き(21歳でしょ？)

ついでに服が高く売れると聞いてコギーが興味を示す描写は違和感だなぁ…。
他にいないからしょうがないけど、この辺りのやりとりは別の人物の方が良かった気もする。
でも、お金に困って飛びついてくる女性登場人物っていないなぁ。

ちなみにコギーは新シリーズでは44歳。30歳頃にもうけた息子がオーフェンの子供と仲が良い。
胸が熱くなる設定ですね。早く読みたい！

『馬鹿馬鹿しいにもほどがある！』
派遣警官に追われるオーフェン。
それはいつものことなのだが、今回は何故かコギーに追われている。

警官として追われるのなら、まさに“今さら”である。
何故オーフェンはコギーから逃げているのだろうか。

まあ勢いのある短編作品だこと…(苦笑)
たまには全く意味のない物語もいいんじゃないでしょうか？

あとがきで著者が「2時間で考えたネタ」と言ってますが、
まさに2時間のネタです。

でも物書きを仕事をしてる人ってのは凄いね。何だかんだで水準以上の文章である当作品も、どっちかというと息抜き感覚で書いている。私なんか感想ひとつ書くのに2日間かかってます。

『あきれてものも言えねえぜ！』
突然だがコギーが派遣警察をクビを宣告された。
これは日常である。

今回は再研修を言い渡されたわけだが、
オーフェンが手助けをすることも日常であった。

自分が逮捕されることを恐れたオーフェンは、
コギーの手伝いをして地人を差し出すことを思いつく。

さて、本の表題作品です。
何でこの作品が表題なのかは分からない。

面白いは面白いですよ。
でも通常運転ですよね。

本編の設定が活かされてたりすると感想は書きやすいんですけどね。
他感想サイト見てみても、感想はやっぱりヒュキオエラ王子の物語がメインなんです。
んで、この作品の感想は書いてないんですよ。参考にしようと思ったのに(待て

いや、好きですよ。とぐろさん。
何だかんだで実は美女って設定が私の中に勝手にあります。

『タフレムの震える夜ー失楽編』

キリランシェロにとって、
《塔》に張り出される新聞を読むことは習慣のひとつであった。

そのなかのゴシップ記事がまず視界に入る。

『深夜の街角に謎の影。怪人物、いや、怪物か！？』

記事に載っているピンボケ写真を見る限りは

「……ただの人間に見えるけど」
正直な感想だった。

「ああああああああ！」

突然背後から悲鳴があがる。

「アザリー！？」

悲鳴の主・アザリーが青ざめた顔で立っていた。

「キリランシェロ！大変なことになったわ！」

「な……なにが？」

「聞きたい！？」

「ううんと……まあ……いや、でも、ちょっと待って。少し考えさせてね」

「聞きたいのね！？そんなに問いただされたんじゃ、話すしかないわ。
　ちなみに聞いたら共犯よ。だって聞いたんだもの」

「なんでっ！？」

姉・アザリーに巻き込まれる。
キリランシェロにとって、これも習慣のひとつなのである。

無謀編における本編である。
今回はアザリーの落とし前をキリランシェロとハーティアが巻き込まれながら手助けをする物語である。すっかり、この人間関係が定着していてなんだか微笑ましいね。悪い意味で信頼してるっていうか、良い意味で無神経。

特にハーティアはすっかり人気キャラになってしまった。
最初の頃の描写で秋田氏も彼を心配していましたが杞憂でした。

それにしてもキリランシェロはアザリーの暴走に四苦八苦しながらも、どこか楽しんでる風を感じてしまう。それは本編補正なのか、そういう風に作者が表現してるのかは分かりません。でも、これがキリランシェロが大切にしていた姉弟の距離感なのかなって深読みしてしまう。

ちなみに作中出てくるワニのキーホルダー。これは新シリーズでオーフェンの娘が所持しています。でも、こちらはオーフェンが作ったレプリカらしいですけど、こういった小ネタっていいですよね。

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2012.08.19 Sun 22:30 | 評論（書籍）ﾗﾉﾍﾞ　ｱ・ｶ | Posted by 試作型惇兄 | Comment(0)

評論（書籍）　顔を洗って出直しな！―魔術士オーフェン無謀編 4

顔を洗って出直しな!―魔術士オーフェン・無謀編〈4〉 (富士見ファンタジア文庫)

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秋田禎信
富士見書房
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著者:　秋田禎信、　イラスト：草河遊也
初版:　1997年4月25日
種類: ファンタジー
5段階評価:　5・・・プレ編はシリーズ最高峰(笑)

短編集第4作品目です。
秋田先生も大分に短編に慣れた様で破天荒に磨きがかかってきましたね(笑)

キースを始め、人物の立ち位置が定まってきたと感じたのも今巻です。
そして過去編もシリーズ中随一であり、ファンからの評判も高い巻でもあったりする。

『そんなに地獄を見てえのか？』
突如、故郷への帰省を願い出たキースに対し、
好奇心から後を追うことにしたオーフェン達が見たものは！？

なんかもうキースは何でもありと納得させられるのが凄い。
結局は本当に故郷だったのかも分からない。でも何故か納得させられる。本当に美味しい人物である。作者としては、こんなキャラクターは書いてて楽だし楽しいんだろうね。

村のしきたりとか道中での描写とか、
読んでて不思議とワクワクするのは文章の書き方が上手いんだろうね。
遠くから太鼓の音って(笑)本当、一字一句に笑いが込み上げる。

あと何だかんだで4人って仲が良いんだなーって感じる物語で、私は好きです。

『顔を洗って出直しな！』
マジクに大陸の歴史を教えるオーフェンと、それを眺めるコギー。
そこに一人の男が登場する。男は魔術には遺伝は関係なく、遺伝を持ち合わせていない自分が魔術を使うと宣言してき。果たして、その真意は？

ウンチクがやたら多いけど、
そこらの小説と違って全く苦にならないのが秋田作品の特徴ですよね。

さて物語ですが何気に興味深いテーマだったりする。本編でも垣間見えますが魔術ってのは、この世界では閉鎖的なものなんですよね。知らない人は魔術の知識については何も知らない。

だからクリーオウの様に「何でも出来るんでしょ？」と考える人もいれば、このサモアペットの様に「何も出来ないんだろ？」と考える人も存在するわけだ。

『明日があると思うなよ！』
市街警察

春の運動会

「……俺…なにやってんだ？」

コギーの懇願により参加した運動会。
幾度となく繰り返す自問自答は、ため息しか出てこないのだった。

あとがきを読むに、世界設定を無視して、そのまま運動会ってのは初めてらしい。
まあ実際のところ運動会そのままをテーマにするファンタジー物自体が普通は無いよね。

今回は派遣警察の存在自体がいかがわしい物としか思えない物語ですが、正直笑いが止まらなかった回でもある。んでキースで閉めるってのがずるい。結局キース持ってくれば面白いし、どんな無茶展開でも納得いくんだもんな(笑)

『さよならなんて言わねえぜ！』
コギーは何時ものように仕事の手伝いをオーフェンに頼み込んでいた。
そして何時もようにオーフェンに頼み渋られる。

だけど何時もと事情が異なる様だ…。
どうやら今回の事件解決には何かあると言うのだ。

最終回っぽい話の第一話(笑)
これから先、何回かある最終回っぽい話です。まあ今回は最終回とは感じなかったかな。それにしても意外に感じたのは本当にコギーを疎ましく思っていること。最終的には思うところのある存在に昇格してると思ったんだけどね。コギーはその程度の存在なのだろうか？

そういえば、そもそもコギーとは互いに気になってる描写って一度も無かった気がします。
でも結局は同じようなクリーオウとは結婚してるし、そもそも秋田先生は恋愛描写が疎いからコギーとの未来も期待していたことは否めない。

最後のオチも含めて実に仲の良いパートナーとは思うんだけど…。
続編ではクリーオウと結婚してるオーフェンですけど、その過程は是非読みたいものです。

『そーいやなにかを忘れてる？』
キースが見つけた未知の生物。
身長が低く言葉が悪いそれは、水道に住み確かに見覚えが無い物だった。

サーカスにでも売れば確かに儲けになるだろう。だが、その存在にオーフェンは確かに見覚えがあったのだ。それがどうしても思い出せないため、オーフェンは目先の金儲けにも着目を置くことにするのだった…。

私は「地人って出てなかったっけ？」って位にどうでもよいです。
っと言うか、むしろ嫌いなキャラクターに分類されるので、登場しなかったらしないで安心して読めるのですよ。キースの様に論理が通じないけど納得がいかないキャラクターなんですよね～。まあ作者は扱いやすいかもしれませんがね。

んで、物語としてはネーミングセンスが凄いなぁと感心してしまいます。
「赤紫斜め接続式ゾウガメ」に大爆笑したのは私だけではないはず！

『清く正しく美しく－暗黒編』

それは週一回の定例となっていた。

「まったく……なにかが狂ってるぞ」
キリランシェロは後ろ手に包帯まみれの男を引きずり歩いていた。

引きずられている男の名をコミクロンと言う。
歳はキリランシェロより2歳年上で、17歳のはずである。

黒のローブの上に白衣を着込み、
三つ編みを2本お下げにしている。

「誰がなにをしようと自由。なにを研究しようと、どういう方法で研究しようと自由。
　まあ、そいつが悪いとは言わないけどさ。そうなれば、もちろん暴走する輩も出現するじゃないか。」

それはいつもの光景ではあった。

「確かに俺も、そういう輩には辟易さ。だって暴走してるもんな」

「あんたのことだ！あんたのっ！」

「なにっ！？しかしそれにしては、褒めてなかったように聞こえたんだが…」

と、ここまでは日常に過ぎなかったわけだが。
彼らの知らない場所で、別の事態が動き出しているのだった。

過去編最高傑作と言われる暗黒編です。
まあ、コミクロンの人気が異常なのも要因のひとつである。

作中、最も不遇とされた彼ですが、本編であんなだからこその人気なんじゃないのかな。彼の細かい設定はファンの間でも広く愛用され、2次小説ではよく「はっはっ」と笑う彼を見たものである。

新章がスタートした今となると、もし彼が存命で物語に関わってたらと心底思います。
きっと楽しい物語になったのかねぇ。それともハーティアの様になってしまうのか…。

コミクロンの親友はコルゴンってことになってるけど、この3人組はかなり息が合ってると思う。
結果としてコミクロンが生きてたら読者が想像も付かないような展開になったはず。

そんなパラレルを是非読んでみたいものである。

さて、本編はいよいよ第1部クライマックス。
一気に読んでしまいましょう！

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2012.05.04 Fri 21:49 | 評論（書籍）ﾗﾉﾍﾞ　ｱ・ｶ | Posted by 試作型惇兄 | Comment(0)

評論（書籍）　彼女は眼鏡HOLIC 〈2〉

彼女は眼鏡HOLIC2 (HJ文庫う)

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上栖綴人
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著者: 上栖綴人、　イラスト: トモセシュンサク
初版: 2008年10月1日
種類: 眼鏡がファンタジー
5段階評価:　2・・・盛り下がったねー

今が恵まれている時だとは分かっていた
あなたと同じ時を過ごせるだけで幸せだった。

それ以上は求めてはいけなかった…

だから今は、ただ待っている

あなたに見つめてもらえる日を
あなたの瞳に、わたしが映る瞬間を

前回の事件を乗り越え、めめこは望んでいた日常を送っていた。相変わらず人見知りは激しかったが、級友の子弦や黒野亞衣の助けもあり順風と言えば順風である。

さて、舞台はアルハゼン本部と移る。

本部長ゴールドスミス。
彼は、日本だけが何時も大きな成果を挙げることに不満を持っていた。
前回の事件の報告では細かい難癖を指摘してきた上に、後日めめこを視察すると言う。

名目は日本の観光とめめこの生活の心配だが、
真意はめめこを通して日本の失態を露呈させたいだけだった。

そんな組織の些細ないざこざが、めめこの大切な日常を壊し始める。

第2巻です。

一部世間では「百合」として好評な作品ですけどね、
でもこれって別に百合ではないですな。

「成長著しい女性に興味を持った子供」ってのが正しい表現かもしれません。

物語としては「日常」がテーマっぽい。
その上で軽い事件が起きることで、改めて二人の気持ちを確かめ合うことが主軸。

つまり大きな変化が少ないのである。
読書好きとしましては物足りないです(汗)

戦闘シーンも半端な感じ
百合も半端な感じ

眼鏡フェチな部分は随一で面白い。
だから別の部分でも何か突出した物が欲しかった。

他の似た作品を許さない位に突っ走ってもらっても構わない位です。

次巻は遂に最終巻。
どうなることやら？

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2012.04.02 Mon 00:24 | 評論（書籍）ﾗﾉﾍﾞ　ｱ・ｶ | Posted by 試作型惇兄 | Comment(0)

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お前はいったいなんなんだ!?―魔術士オーフェン・無謀編〈3〉 (富士見ファンタジア文庫)

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著者:　秋田禎信、　イラスト：草河遊也
初版:　1996年10月25日
種類: ファンタジー
5段階評価:　5・・・ここからが本番ですよ！

いよいよキースとボニーが登場！第3巻です！
本編がシリアス一直線なんで、この二人の登場による混沌とした展開は楽しかったのを覚えている。

特にキースは作者も大好きな人物だけあって凄い人物像になっている（笑）
著者曰く

「キースの言ってること、経験していること。
　決して嘘を言ってるわけじゃないんです。だから面白い。」

だそうな。
ようは何でもありな人物なのである。

扱いやすいし、読者も面白いし何とも得なキャラクターだよね。

では、各話の感想でも。

『お前はいったいなんなんだ!?』
この本の題目にもなっている話です。
まずはキースの登場ですが、それは抜きにして言葉遊びが随一の物語である。

特にエドゲイン君は意味もなく好きで、
著者も何故か読者に人気だと不思議に思っていた。

当時は知らなかったですが、
この名前には由来があったんですね。

エド・ゲイン

アメリカ歴史上に最も恐ろしい犯罪を犯した人物で、
今でも数々のホラー・サスペンス映画のモチーフになっている事件である。

まあ、そんな小ネタも好きですけどね。

「そう、わたしは《岬の楼閣》のキース・ロイヤル！」

『いちいち俺を巻き込むな！』
ついにボニーの登場ですが、今回は顔見せ程度。
オチは、当時は意外にもよめなかった。

痴話喧嘩って軽く言葉にしてますがコギーって恋愛には疎いイメージがあったんですけどね。そこまで惚れやすいんならオーフェンのことはどう思ってたんだろう。後日、別の人と結婚して人妻になる位ならオーフェンに惚れれば良いのに…っと思った私はオーコギー派でした。

ちなみにキースの婚約者として挙げられるエレインですが、
この名前はアーサー物語に出てくる女性の名前ですかね？
もしくはビタミンの一種から来てると思われる。

何にでも小ネタを入れる秋田だけに深読みするのが楽しかったりします。

『はっきり言って迷惑だ！』
ボニー大活躍。読んでた当時も、再読した今も、やっぱり私はボニーに首ったけである。

実は三姉妹の中ではボニーが一番好きなんです。
ウェトレス姿も可愛いし、主人公に盲目的に好色なのが素敵です。

ボニーさんマジ天使！

あり得ないけど、彼女と所帯を持つオーフェンを見たかった。
当時、ネットでそんな小説誰か書いてないかなーって思った物ですが、意外にファンには人気のない彼女であり、涙で枕を濡らしたのも良い思い出です。

『俺の立場はどーなんだ！？』
ボニーに食事を奢ってもらうオーフェンを咎めたコギー。
怒ったオーフェンはボニーに何か贈り物をするために金儲けを打算する物語。

まあ普通に計画をすることは無く、軸はブレまくった物語となります。
重要なのはやっぱり会話による言葉遊びになるんですよね。

それが短編集の良い所でもあり、欠点でもあります。

「いい調子ですよ黒魔術師殿。
　女をだますのはまず優しさ－のめり込ませるのはニヒルさで、
　最後は弁護士と戦う強い意志です」

そういえば、この回の物語を読んで初めてキースは執事ではく、
正確には“執事見習い”なんだと気づきました。

『シャレですむのはここまでだ！』
キースと間違えてオーフェンをつけ狙う3人組。
はたしてキースの過去とは？

この辺りから、ますますキースの正体が分からなくなる(笑)
それにしても登場人物全員が阿呆なのが魅力的ですね。

良い意味で抜けてると言うか、
愛すべきボケなのである。

そして何より、それに振り回される主人公が面白い。
オーフェンは本編を含めて随分と巻き込まれる性格なんですね。

『馬に蹴られて死んじまえ！ー純情編』

「あなた、恋をしているわねっ！」

「なっ…何を根拠に」

始まりは何時だって突然なんだ。
そう、それは天災と同じで突然始まるからやっかいなんだ。

“天魔の魔女”

誰が何時から呼び始めたのかは覚えていないし興味もない。
ただ、天災の意味を込めている所は秀逸だとは思った。

とにかく喜々として彼女は語っている。
詰め寄られた少年は、どこか愛嬌のある顔を引きつらせながらも反論しているようだが、

「コーエン教室のディードやチャントリー教室のドロシーの騒ぎを起こした時と、
　おんなじ顔をしてるんだよ」

キリランシェロはため息混じりに応えた。

“サクセサリー・オブ・レザー・エッジ（鋼の後継）”
若干15歳にして大陸に名を響かせようとしている少年は、
この騒動には興味は無いが意識を働かせないとならなかった。

『いかにして巻き込まれないように動くべきか？』

いや、まあ…結局どう動いたところでアザリーには逆らえないし、
巻き込まれるんだけどね……。

天災は突然あらわれて、そして突然に去っていく。
それは決して避けられる物ではない。

故に“天災”なのだ。

今回はフォルテ登場の回。
といっても無理矢理話に込めたって感じかな。

今回は何と言ってもアザリーとハーティアの活躍に満足である。
“天魔”と評されていたアザリーが何故そう言われてたかが垣間見れる。

って言うかただの迷惑な人って意味だったのね(笑)
まあ考えてみたら二つ名がある人物で意味があるのはキリランシェロ位で、
あとは迷惑人物を皮肉で評してるだけなのかもしれない。

ハーティアは愛される人物になってきたと著者は言ってるけど、
私は当時から別に嫌いじゃなかったけどね。

ただ、「ヘタレだなー」とは思ってました。
愛すべきキャラですよ。

何だかんだで、このシリーズには大体毎回登場しますし、
著者にも愛されてるんでしょうね。

それにしても短編集の感想は書くのに時間がかかるな～。
まあ書いてるのは楽しいんですけど、更新がその分滞っています。

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